可用性が高く、シンプル。柔軟なカスタマイズでニーズを満たす
2003 年 10 月、旧宮崎大学と旧宮崎医科大学が統合し、現在の宮崎大学が設置された。このときに、旧宮崎大学と旧宮崎医科大学の両方の学内情報システムを総合的に管理・運用する組織として新しく設置されたのが、総合情報処理センターだ。この総合情報処理センターはいくつかの組織と統合され、現在では情報基盤センターとして活動をしている。2011 年 3 月に同センターがキャンパス情報システムのリプレース時に全学向け 8,000 ユーザー規模のメールシステムとして選定したのが DEEPMail となる。
システム全体をシンプルにしつつ、可用性を高めるための工夫
「情報基盤センターが管理しているのは、ネットワークに接続されている端末数で約1万、ユーザー数では約 8000 ほどです。ほかにもいくつものサーバやネットワーク機器の管理・運用をしています。リプレース前のシステムでは、サーバやネットワークなどが複雑に絡み合い、管理・運用に工数がかかりすぎるという課題がありました。そのためリプレースでは、メールを含め、システム全体をシンプルにしつつ、可用性の高いものにしたいと考えていました」と情報基盤センター センター長・工学部情報システム工学科 教授の廿日出勇氏は説明する。
宮崎大学では、「まとめられるものはまとめる」というコンセプトで、サーバの統合を進めた。ブレードサーバを導入し、その中で複数の仮想サーバを稼働。 実際、40台ほどのサーバが16台の物理サーバ上に集約された。
メールについても 5 台のサーバで運用してきたが、リプレースを機に、「DEEPMail」にまとめて仮想サーバで稼働させている。廿日出氏は20年以上前から、同校の情報システムに携わっている。「当時はすべて自前でシステムを構築し、運用してきた」(廿日出氏)という。
しかし、現在すべてのシステムを自前で構築、運用するのは困難な状況になってきた。情報システムの活用が進み、システムとしての規模がどんどん大きくなっているためだ。
「以前のシステムではここまで規模が大きくなく、中身もよくわかっていました。 そのため、自前である程度環境を整えることができました。現状では規模も大きくなり、自分たちのリソースだけでシステムを構築するのは難しい状況になっています。落札ベンダーである富士通さんやそのパートナーであるディープソフトさんのような企業によるサポートが不可欠になっています」と廿日出氏は続けた。
情報基盤センター センター長
工学部情報システム工学科
教授
廿日出 勇 氏
学内システムとメールとを 異なるポリシーで運用する
通常、メールシステムを構築する際は、送信用や受信用メールサーバのほか、Webメールサーバ、メーリングリストサーバなど複数のサーバを構築しなければならない。
DEEPMailは統合メールソリューションなので、それらの機能をまとめることができる。メールのシステム構成を非常にシンプルにすることを可能とする。さらにDEEPMailの開発元であるディープソフト社は、カスタマイズ要望に柔軟に対応する。これは、開発初期から大規模のメールシステム構築を必要とする企業やISP向けのメールサービスを目的に開発したためで、ほかの製品とは基本設計が全く異なる。そのため、細かい要望の多い国内のアカデミック市場におけるユーザー独自のニーズにも細かく応えることができる。
宮崎大学は「認証」に関する課題を抱えていた。セキュリティを高めるために、図書館情報システムや履修システムなどの学内システムで利用するログインID(宮崎大学統一認証ID"MID")と、メールアドレスのローカルパート(@前の文字列) を別のものにしたいと考えていたのだ。つまり、メールで利用するアカウントはMIDを利用し、メールアドレスのローカルパートはMID以外の文字列としたいと考えていた。
情報基盤センター副センター長
准教授
青木 謙二 氏
学内でのメールやその他のWeb システムをすべて1つの ID、パスワードで統一させる運用は、利用者にとっては非常に便利だが、メールアドレスのローカルパートもMIDを設定することはセキュリティ上の懸念がぬぐえない。
宮崎大学の場合、このMIDが推定されないよう、メールアドレスについては、別のポリシーで作成、運用したいと希望していた。
「認証についてですが、前回のシステムまではシステム導入時点で大学統一認証 (MID)の整備が行われていなかったため、学生については学籍番号を基に規則性のある文字列を、教職員については任意の希望文字列をログインIDおよびメールアドレスローカルパートとして使用していました。しかし、今回はログインIDとメールアドレスローカルパートを別のものに設定しました。さらに、実は前年の新入生は、MIDでログインすると共に、メールアドレスのローカルパートも MID とするというポリシーに変更したところでした。
情報図書部情報企画課
情報企画係基盤担当 事務職員
黒木 亘 氏
したがって、現在の学生の中にはログイン IDが学籍番号の学年とMID の学年が存在していますし、メールアドレスも学籍番号を基にしたものと MID を基にしたものが混在していました。
すでに発行しているメールアドレスをすぐに変更させるというのは現実的に困難です。就職活動などで、メールアドレスを企業で連絡している学生もいます。システム更新にあたっては、これらの学年ごとの異なるポリシーを統一し、ログイン ID は MID でメールアドレスローカルパートは任意の文字列にする、というポリシーに変更し、さらにこれまで使っていた旧アドレスでも受信だけはできることが必須要件でした。このようなことが実現できるメールシステムとして、DEEPMail が最適でした。」と情報基盤センター副センター長の青木謙二氏は説明する。
つまり、宮崎大学のログイン ID とメールアドレスは学年により異なり複雑な関係になっていたのだ。
手厚いサポートに安心感 ヘルプデスク業務も大幅に軽減
メールシステムの移行は大きなトラブルもなく、かなりスムーズに進んだ。 ユーザー数も多く、複雑に入り組んだ認証ポリシーとメールアドレス形式を統一するという大がかりな作業だが、ディープソフトの導入実績を多数持つ富士通が協力したことで、大きなトラブルもなく作業が進んだ。
情報図書部情報企画課
情報企画係基盤担当 技術専門職員
園田 誠氏
「落札後の導入前打合せでは、東京から何度も宮崎まで足を運んでもらったのですが、複雑な現状の運用ポリシーを説明すると、その場で機能説明とカスタマイズによる解決策を即提示してもらえました。導入後においても、授業でメールを利用する際、ログインできないというトラブルが発生したのですが、これはサーバのOS での設定が厳しすぎたためでした。しかし、そういう問題が起きたときも障害の切り分けに何度も協力してもらえました。急ぎの場合はリモートで対応してもらえる上、技術的な問題にも丁寧に且つ即時に回答していただけるので、非常にありがたいと感じています」と情報図書部情報企画課情報企画係基盤担当・技術専門職員の園田誠氏は語る。
DEEPMail を導入したことで、ヘルプデスク業務も軽減された。例えば、ユーザーから「メールが届かない」という質問がきた場合、これまでのメールシステムでは CUI で設定ファイルを確認しなければならず、確認だけでも工数がかかってしまった。しかし、DEEPMail では GUI でそのユーザーの設定をすぐに確認できる。 「転送設定をしたことを忘れて"メールが届かない"という質問をしてくる学生が多いですね。"転送メールのコピーを残さない"と自分で設定しているのですが、 それを忘れてしまっていることが多いようです。ディープソフト社に相談すると、 この部分は新たな注意喚起機能を追加することで解消できそうです。
このように柔軟に対応してもらえるのも大きなメリットと考えています。また、今まではメーリングリストの初期設定は学内から申請を受け付けてシステム管理者のほうで実施していたのですが、DEEPMailでは申請者がML管理者になってから自由にGUIから変更できるようになったので、我々の工数もかなり減りました」と情報図書部情報企画課情報企画係基盤担当の黒木亘氏は語る。
その言葉通り、実は DEEPMail にしてからMLの利用者数が増加しているのだという。それは MLの設定がGUIで簡単にでき、使い勝手がいいためだと宮崎大学では考えている。
工数やコストなど 導入メリットが多数

DEEPMailを導入したことで、メール利用者の利便性だけでなく、管理性も向上しており、工数の削減にも寄与している。「もし何かあっても、すぐに対応してくれる安心感も大きい」(園田氏)というように、サポート品質の高さでもディープソフトの評価は高い。
さらに、新システムに移行したことで「エネルギーコストの削減」も実現している。今まで乱立していた複数のメールサーバを統合型のDEEPMail にまとめたほか、落札ベンダーである富士通が提案した省電力性・集約性・可用性に優れたサーバシステムを導入したことで、利用しているラックのユニット数が大幅に削減されたほか、空調のコストも削減。システム全体のエネルギー消費量が大きく下がっている。宮崎大学の場合、コンセントごとの電力値を計測しているが、消費電力が大きく減っていることが確認できているという。
宮崎大学は、今回のリプレースで、シンプルで可用性の高いシステムを構築した。 メールに関しても、同校のニーズが反映されたことはもちろん、サポート品質の高さでも非常に満足している。
メールの使い勝手やパフォーマンスも向上し、学内利用者が増えており、メールは、コミュニケーションツールとして欠かせないものになっている。同校のメールシステムを支えるディープソフト社への期待もそれだけに大きいといえそうだ。
| 顧客名 | 宮崎大学 |
|---|---|
| 導入システム | DEEPSoft製:DEEPMail 8,000ユーザー |
| 導入効果 | ◎複数のメールサーバをとりまとめシンプルになった ◎複数の「認証」のポリシーでメールシステムを運用可能になった ◎充実したサポートで安心してシステムを運用できるようになった |